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ファクタリング

偽装ファクタリングに注意|違法な高金利貸付を見分ける方法

形式上は「ファクタリング(債権の売却)」を名乗りながら、実質的には違法な高金利の貸付けとみなされ得る「偽装ファクタリング」が問題となっています。典型的な特徴と見分け方、相談先を整理します。

偽装ファクタリングに注意|違法な高金利貸付を見分ける方法 03 ファクタリング

この記事の要点

  • 「偽装ファクタリング」とは、契約の名目は債権の売却でも、実質的な内容が金銭の貸し付けと変わらないと判断され得る取引を指す。
  • 償還請求権(買い戻し義務)付きであること自体が直ちに違法を意味するわけではないが、極端な高額手数料や実態を欠いた取引形態と組み合わさることで、貸付けと同視されるリスクが高まる。
  • 実質的に高金利の貸付けとみなされる場合、貸金業法・出資法に抵触するおそれがあり、金融庁・警察等が注意を呼びかけている。
  • 不安を感じた場合は、契約前であれば慎重に検討し、既に関わってしまった場合は警察・弁護士・日本貸金業協会・法テラス等の公的窓口に相談する。

偽装ファクタリングとは|形式は債権譲渡でも実質は貸付けとみなされる取引

別記事で解説したとおり、正規のファクタリングは「売掛金(債権)の売却」であり、金銭の貸し借りである「融資」とは法的性質が異なります。この違いにより、ファクタリングは貸金業法などの貸付けを前提とした規制の直接の対象にはならないと整理されています。

「偽装ファクタリング」とは、契約書上は債権の売買という体裁を取りながら、契約の実態を見ると経済的には金銭の貸し付けと変わらないと評価され得る取引を指す言葉として使われています。名目だけを債権譲渡としても、実質が貸付けであると判断されれば、貸金業法や出資法などの規制を潜脱(回避)しようとする違法な取引とみなされ得ます。

偽装ファクタリングの典型的な特徴

偽装ファクタリングであるかどうかは、個別の契約内容や実態を総合的に見て判断されるものであり、以下の特徴が一つでもあれば直ちに違法と決まるわけではありません。しかし、次のような要素が重なる場合は、契約の実態を慎重に見極める必要があります。

  • 償還請求権(リコース)付きで、かつ実質的に貸付けと同視されるような契約:売掛先が支払えなかった場合に利用会社が買い戻し・弁済の義務を負う契約(償還請求権付き契約)は、それ自体が直ちに違法というわけではありませんが、他の要素と組み合わさることで、実質的に「売掛金を担保にした金銭の貸し付け」に近い性質を帯びる場合があります。
  • 売掛金の額面を大きく下回る極端な買取率:買取額と額面の差(実質的な手数料相当額)が、短期間の取引にもかかわらず著しく高い場合、その差額を年率に換算すると出資法の上限金利を超える水準になっているケースが指摘されています。
  • 売掛先の実在確認をほとんど行わない:本来のファクタリングでは、買い取る売掛金が実在し回収可能かを確認するのが通常ですが、そうした確認をほとんど行わず、実質的に利用会社の信用力(返済力)だけを見て契約しているように見える場合があります。
  • 契約書の名称と実態が乖離している:契約書は「債権譲渡契約」となっているが、実際のやり取りでは「返済」「利息」に相当する言葉が使われているなど、実態が貸付けに近いことをうかがわせる場合があります。
重要:これらはあくまで「注意すべき兆候」であり、該当すれば必ず違法と断定できるものではありません。実際に貸付けとみなされるかどうかは、手数料の実質的な水準や契約全体の実態から個別に判断されます。不安がある場合は、契約前に弁護士等の専門家に相談することをおすすめします。

なぜ問題なのか|貸金業法・出資法との関係

契約の実質が金銭の貸し付けと判断された場合、その取引には貸付けを前提とする法律が適用され得ます。特に、出資法は著しく高い金利での金銭の貸し付けに刑事罰を科す規定を置いており、実質年率に換算した際の水準が著しく高い場合、貸主側が刑事責任を問われる可能性があります。また、無登録で貸金業を営んでいると評価される場合は貸金業法違反となるおそれもあります。

金融庁や警察庁などは、ファクタリングを装った実質的な高金利貸付けについて、繰り返し注意喚起を行っています。「ファクタリング」という名称が使われているという理由だけで、その取引が合法・安全であるとは限らない点に注意が必要です。

正規のファクタリングとの見分け方

すべてを断定的に判別することは難しいものの、次のような点を確認することで、慎重な判断の手がかりになります。

確認したいポイント

  • 売掛先(取引先)の実在確認や、売掛金の裏付けとなる請求書・契約書の提出を求められるか
  • 買取率・手数料の算定根拠が明示され、契約書に具体的な金額・条件が明記されているか
  • 償還請求権の有無、ある場合はその条件が契約書に明確に記載されているか
  • 会社の所在地・連絡先・事業実態が確認できるか(極端に情報が乏しい場合は注意)
  • 手数料の実質的な水準が、短期間の取引にもかかわらず著しく高くないか

少しでも不自然さや説明の不足を感じた場合は、その場で契約せず、一度持ち帰って弁護士や公的相談窓口に相談することを強くおすすめします。

もし偽装ファクタリングに関わってしまったら|相談先

すでに契約してしまった、または契約後に不審な点に気づいた場合は、一人で抱え込まず、早めに以下のような公的窓口へ相談してください。

  • 警察(警察庁・都道府県警察の相談窓口):違法な取り立てなど、犯罪性が疑われる場合の相談先です。
  • 弁護士:契約の有効性や今後の対応について、法的な観点から助言を受けられます。
  • 日本貸金業協会:貸金業に関する相談窓口を設けています。
  • 法テラス(日本司法支援センター):収入等の条件を満たす場合、無料法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できる場合があります。
  • 金融庁の相談窓口・消費生活センター:制度全般に関する相談や情報提供を受けられます。

相談の際は、契約書や振込記録、やり取りの履歴など、関連する資料をできる限り保管しておくことが重要です。

まとめ

ファクタリングは本来「債権の売却」であり融資とは異なる取引ですが、その形式を悪用し、実質的に違法な高金利貸付けを行う「偽装ファクタリング」が存在します。償還請求権の有無や買取率の水準など、個々の特徴だけで即座に違法と判断することはできませんが、複数の不自然な兆候が重なる場合は特に注意が必要です。契約前によく確認し、少しでも不安があれば専門家や公的窓口に相談しましょう。

よくある質問

償還請求権付きの契約は、それだけで違法になりますか?
償還請求権(リコース)付きの契約であることだけをもって、直ちに違法と判断されるわけではありません。違法な貸付けとみなされるかどうかは、手数料の実質的な水準や、売掛先の実在確認の有無など、契約全体の実態を総合的に見て判断されます。償還請求権の有無は判断材料の一つに過ぎない点に注意してください。
手数料が高いと感じたら、どう判断すればよいですか?
短期間の取引で手数料が売掛金額面に対して著しく高い場合は注意が必要です。判断に迷う場合は、契約前に弁護士や日本貸金業協会などの公的窓口に相談し、自己判断で契約を進めないことをおすすめします。
既に契約してしまった場合、どこに相談すればよいですか?
警察、弁護士、日本貸金業協会、法テラス、消費生活センターなどの公的窓口が相談先として挙げられます。契約書や振込記録などの資料を保管したうえで、早めに相談することをおすすめします。

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ローンコンパス編集部

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